under the rose Entry 148

路地裏にて


 そしてくるみは、踏み入れた路地裏からとうとう一歩も動けなくなってしまった。
 迫り来る圧迫感はぐるぐると唸りを上げるおなかからさらに下り、おしりの孔のすぐ上まで達そうとしている。

 ぶぴっ、ぷっ、ぷっ、ぷぅっ、

 排泄孔が惨めにひしゃげ、小さくおならを繰り返す。
「くぅ、ぅぅうっ……んっ……っ!!」
 路地裏でおしりを丸出しにするというありえない行為に恥ずかしさで死んでしまいそうになりながら、くるみはぎゅっと唇を感でおなかに力を込める。
 めくり上げられたスカートの下、白いおなかにぐっと力が入り、緩められた括約筋の隙をついて少女のおしりの谷間に覗くうんちの孔がぷくりと膨らむ。
 ひくひくと震えた排泄孔が伸び縮みを大きくし、蕾はほころんでゆっくりとその内側を覗かせてゆく。
「ぅぅう……ぅうん…っ……」
 ぷす、ぷす、と漏れ出す生暖かいガスが、路地裏に臭いを伴って立ちこめる。
 もはやここは、くるみにとってトイレと同じ排泄のための場所だった。
 裏返った直腸粘膜は、排泄のための器官とは思えないほどに綺麗な桜色をしていた。おなかの内側がめくれてゆっくりと拡がり、外気に触れると同時にくるみのおしりの孔からはじゅんっと粘液が滲み出す。五日間ご無沙汰だった排泄を助けるために、くるみの排泄器官はその能力を総動員していた。

 ぷ、ぷっ、みちゅ……っ

 ついにくるみの排泄孔を割り開いて、うんちの塊が顔を覗かせた。五日間も直腸に留まることを強いられた食物のなれの果ては、水分を失ってこげ茶色になっている。硬くごつごつとした表面をぬらぬらと直腸粘液が覆っていた。
「ぅぅ……ぅ、くぅっ……〜〜っ、……はぁっ、はあっ……」
 だが、ぷす、とおならの音を最後に、くるみの息は途切れてしまった。
 一度は外気に触れたうんちは、ぐにゅんと絞まるおしりの孔とともに、ふたたびくるみのおなかのなかに収まってしまう。
「ふーっ、く、ふぅうーーっ……」
(出てよぉ……はやくっ……)
 こんなところにいつまでもいるわけにはいかないのだ。誰かに気付かれる前に、一刻も早く排泄を終えて立ち去る必要があった。
 しくしくと続くおなかの痛みに耐えながら、くるみは深く静かに息をつく。
 おしりの孔のすぐ側まできているうんちを感じながら、くるみはもういちどイキみはじめる。
「ふぅぅぅっ……くぅっ、んぅうぅうぅっうぅぅっ……!!」
 小学5年生の少女の苦しげな声が路地裏に響く。女の子の秘密、トイレの個室の中でこっそりと音消しの水にまぎれさせて済ませるはずの排泄の掛け声が、何も遮るもののない表の路地の片隅で繰り広げられる。
 ぎゅっとまくったスカートを握り、おしりの孔をいっぱいにおしひろげ、くるみはぐぅっとおなかに力を入れる。ぐるぐぶっごぼっとおなかの奥が蠢いて、再びくるみのうんちの孔から水気を失った焦茶色の塊が顔を出した。
「んぅぅうっ……くぅぅっ、ふぅうぅぅっ……!!」
 みちゅ、ぬちっ……ぷ。…ぷすっ……にちゅっ……
 ドーナツのように捲れあがり、いっぱいに広がったおしりの孔から、焦茶色の大きな塊が少しずつ押し出されはじめた。少女の白く細い身体からは想像もつかないほどの太さのうんち。五日という長い時間くるみのおなかの中にとどまっていた排泄物はすっかり水気を失っていて、細かく千切れながらぽろぽろと地面に落ちてゆく。
 まるでウサギのように、ころころと地面に落ちて跳ねるうんちの匂いに、くるみの顔が真っ赤になる。
「ふ、ふうぅっ……あ、あと、ちょっとっ」
 きゅるるるっ、と刺しこむ痛みに耐えながら、くるみはさらにおなかに力を入れてイキむ。みちみちと引き伸ばされる括約筋の隙間から、わずかに腸液が滲み出して粘膜を湿らせる。敏感な直腸粘膜を保護し、少女の排泄を促すための排泄の摂理だ。
「ぅ、く、ぅううぅぅぅぅうううぅっ……んんんんぅっんんーーっ!!!」
 ぶ、ぷっ、ぶすっ、みちっ、ぬちゅっ、ごきゅるごろろぐるぐるっ!!
 おなかに力を入れるたび、くるみのおしりの奥で激しい蠕動が渦を巻く。
 くるみはぎゅっとスカートを握り、おしりを地面にくっつけるように深くしゃがみなおした。荒い息にあわせて少女の小鼻はふくらみ、ぎゅっと閉じられた唇が震え、眉が寄せられる。
 うんちの孔から飛びだしていた焦げ茶色のカタマリがぬぶっ、と大きくなる。
「んっ、んうぅぅっ、んんんんっうぅんんんんーーーーっっっ!!!」
 ぶぅ、ぶっ、ぶす! にち、にちゅっ…
 そのままおしりの孔を飛びだしたうんちの先端が、ころんと乾いたままアスファルトに落ちた。同時に一度収縮したうんちの孔はすぐに大きくくぱっと広がり、腸液にまみれて、ぬらぬらと光る塊がくるみのおしりの孔を貫通する。排泄のための器官を串刺しにするような灼熱の衝撃が、少女の背筋を震わせた。
 ついに、くるみの“うんち”が始まったのだ。
「っ、ぅううぁっ……ふ、……くぅ…っ」
 ぬちぬちとはみ出すうんちの塊が、しゃがみこんだ少女の足元に積みあがってゆく。まるで絵の具を搾り出すかのような有様。五日という長い期間をお腹の中に留められ、すっかり腐敗したうんちがガスを伴って排泄される。
 ぐりゅごろごぼっと暴れるおなかの痛みに合わせてくるみの直腸を刺激し、さらなる便意をもたらした。
「ぁあふぁうっ……!!」
 みち……みちゅ、ぢゅるぶちちゅぶじゅぶぷっ!!
 そして、大きなうんちを出し終えたくるみのおしりの孔はすぐさま次の便意に襲われる。まるでなにかの意志をもつかのように、大きく太い、少女の身体におさまっていたとは思えないほどの硬いうんちの塊が、さらに次々とおしりの孔から押し出された。くるみの括約筋はゴムのように丸く伸び、にちゅみちみちゅみちっとうんちを出し続ける。
 やがて、くるみのお腹の中で水分を吸われ、すっかり押し固められた塊が、ぼとりとアスファルトの上に転がる。
 限界まで拡がっていたくるみのおしりの孔は一瞬できゅっとすぼまり、裏返った肉色の内側を覗かせる。
 だが、そんなもので5日分の全部が出終わった訳ではなかった。さらにくるみのおしりの孔はくぱぁっと開き、汚れた粘液を吐き出しながらおなかの中身を送り出してゆく。はじめの乾いたうんちと、おしりの孔を塞いでいた極太の塊。それらが山積みになった上に、さらにむりゅむりゅとくるみのうんちが積み重なってゆく。
「あぁ……はぁあっ……あふっ……」
 排泄器官を突き抜ける解放感に、くるみはびくびくと背中を震わせる。いまだ分化しない幼い性感しか持たない少女にとって、排泄孔を犯す猛烈な刺激は軽い絶頂と変わらない。喘ぎにもにた吐息をこぼしながら、くるみはきゅっとおしりの孔に意識を集中させる。
(す、すごい……いっぱい、でちゃってるっ……においも……っ)
 ぶぷっ、ぷすっ、ちゅぢゅぶっ、みちゅぐちゅぶぶっごぼっ!!
 5日間、小さな少女のおなかの中にとどまることを強制された内容物は、とどまることを知らなかった。成長期の食欲に支えられた大量の食物のなれの果ては、完全に消化されて形を変え、路地裏という場所を無視して少女の脚の間に積み上げられてゆく。
(まだ……まだ出るっ……はやく、はやく終わってよぉ……)
 少女の腹腔でこね回された焦げ茶色の粘度細工が、猛烈な羞恥を伴って排泄される。少女の排泄器官はまるで壊れたように歯止めを失い、一度止まったかに見えてもすぐに次の便意の波を感じ取った。くるみはそのたびに耳まで赤くなりながら、何度もうんちを出すためにおなかに力を入れなければならなかった。
「はぁ……はぁっ……はぁあっ……」
 何度目になるのか。すでにくるみのおしりの下には彼女のうんちが山のように積みあがって、猛烈な匂いを放っている。長い便秘のせいか排泄物のカタチも千差万別で、黒っぽい焦げ茶色の石のように固い最初の部分から、絵の具のような柔らかさの黄土色まで、まるでうんちの見本会だ。
 これが全部、小学五年生の可憐な少女がひとりのお腹の中におさまっていたのだと言われても、とても信じられない者が多いだろう。
「終わったっ……は、はやくしなきゃ」
 すっかり麻痺していた鼻が、排泄したモノのとてつもない匂いを実感する。これではいつ気付かれてもおかしくない。くるみは慌ててポケットをさぐり、ティッシュを取りだしておしりの孔を拭う。
 しかし――
 ぐるるっ、きゅるるるぅっ……ごぼっ、ごぽぽっ、
「え……ぇ、やだぁっ!!」
 きゅうううっ、と激しく刺しこんだ痛みは、さっきくるみが感じていたものよりもさらに差し迫った排泄欲求の具現。
 下腹で巻き起こった猛烈な蠕動が、あっという間に排泄器官を占領する。
 これで終わりではなかったのだ。
 くるみの排泄器官は5日ぶりにその本来の機能を取り戻し、忘れていた“うんちのしかた”を思い出していた。その機能のまま、少女の排泄はさらに続く。
「ぁ……っ、うそ……まだ…でるっ……」
 最初の排泄ですっかりほぐされた排泄孔は、すぐにくちゅりと押し広げられた。
 ぶすっ、ぶぷっ、ぬち、むちゅぬちゅっ、にちゅにちゅっ……
 たったいま少女が産み落とした塊の上に、さらに色の浅い茶色のうんちが積み上げられてゆく。それまでよりもさらに体奥に押し込められていたそれらは、ぎりぎりで形を保てる程度の柔らかなものだった。大きく山を作る焦げ茶色の塊の上に、黄土色のうんちがさらに大量に積み重なる。良く噛んでたくさん食べる習慣の通り、それらもまったく理想的な排泄物だ。
 くるみのおなかはさらに蠕動し、次なる排泄を少女に要求してくる。
 おならを交え、吐き出される塊がソフトクリームのように折り重なり、一度は綺麗になった少女のおしりを汚してゆく。
 もはや、この路地裏の排泄の虜となってしまったくるみに逆らう術はなかった。



「っ……!!」
 長い長い排泄が終わり、くるみはおしりを拭くのもそこそこに、一目散に路地裏から逃げ出していた。
 アスファルトの上には、一体何人分とみまごうばかりの量のうんちが盛り上がっていた。これまでの光景を見たものでなければ、とても小学5年生の幼い少女がひとりで済ませたものとは信じられないだろう。
 隠そうにも隠しきれない大量の排泄を終え、くるみは恥かしさで真っ赤になりながら路地裏を後にした。




 (初出:書き下ろし)
 
 

2011/01/31 屋外排泄