明楽の入学式・6
入学式を終え、初めて顔を会わせるクラスメイトたちが互いに自己紹介をし、これからの学校生活を語り合う。部活のこと、学校行事のこと、授業のこと、テストのこと。なにもかもが初体験ばかりの期待と希望に満ちた学校生活。
担任の教諭がまだ到着していないため、どこか緊張を孕みながらも、穏やかに弛緩した雰囲気が教室には満ちていた。明楽が教室に戻った頃にはまだ皆真面目に席についていたのだが、15分もすると雑談が始まり、いまはすっかり騒がしくなっている。すっかり打ち解けた女子グループの数名は、早速これから放課後にカラオケに行こうと盛り上がっている様子だった。
「………っ、ふ……」
ぐきゅ……ごりゅるるるっ……
しかし、明楽の身体はそんなリラックスした雰囲気の対極に置かれていた。
少女はひとり、クラスの喧騒をよそに押し寄せる激しい便意と戦っていたのだ。
(は…やくっ、でちゃうぅっ、はやく、うぅっ……)
ひっきりなしに唸り続ける下腹。濃縮されたガスと固形の内容物、そして分泌された粘液が撹拌され、出口を塞がれた明楽の腸内で暴れ続けている。
せっかく辿り着いたトイレでも解放を許されなかった、内なる猛烈な衝動。
もはやこれは百人中百人が認める、激しい便意だった。
一週間をかけて貯蔵された腹腔の中身を、容赦なく引っ掻き回すとめどない蠕動。明楽は椅子の上に腰を浮かしては息を荒げ、座板におしりを押しつけてぷくりと膨らむ排泄孔を渾身の力で引き締める。
少女の意志を無視して高まる腹圧で押しだされんとする内容物は、明楽の直腸、排泄孔のすぐ真上まで迫っている。うんちができないならばせめてガスだけでも放出して楽になりっておきたいところだが、クラスメイト達が席を寄せあったこの状況ではそれすらも許されない。
(ぅ……はぁっ…くぅぅっ……)
ぐぎゅ……きゅるるっ、…ぐりゅぅう……
体内で蠢く不気味な駿動。ふっくらと膨らんだ少女の下腹部は、骨盤に伝播する危険な震動を伴って激しさを増しながら、じわじわと下降を続けている。朝の自宅、通学途中のコンビニ。入学式後、ほんの10分前の体育館横。いずれのトイレでもできなかった排泄作用が、いま、この教室の片隅で再現されようとしていた。
「く……ぅぁっ……」
きりきりと高まる腹圧に耐えかねて明楽が腰をくねらせた途端、ごぼっ、と腐敗発酵したガスが体奥から湧き上がった。
突如直腸で膨らんだ猛烈な屁意に明楽は小さく悲鳴を上げる。
(っ!!! だ、だめっ、出ちゃダメぇ……っ!! が、がまん、がまんするのっ!! しなきゃダメえ……!! っ、お、おなら……みんなにっ……ひっかかっちゃうっっ……)
すぐ後ろには、明楽と同じように席に座り、ホームルームを受けているクラスメイトがいる。その鼻先のすぐ前で濃密なガスを吐き出すなど、決して許されることではなかった。明楽はあらゆる感覚を総動員して苦痛に耐える。
腹腔の内部で暴れまわる内容物は、液体・固体・気体が渾然一体となった混沌の排泄欲となって、少女の可憐な排泄孔に殺到する。一週間の熟成を経て暴れだした猛威が少女の小さな下腹部には到底納まりきるわけもなく、明楽の恥ずかしいすぼまりはぷくりと盛り上がり、少女の意思に反して内側に溜まった汚辱を放出しようとする。
ぷ、……ぷ、っす……ぶすっ……
(出ないでぇっ、で、ない、でぇえっ!!!)
机の角を握り締め、ぐいぐいと腰を揺すり、おしりを椅子に押しつける。それでも完全には抑えきれない悪臭が、断続的に明楽の腹の中から漏れ出てゆく。
わずかに盛り上がった排泄孔からくちくちと吐き出される汚臭を振り払うこともできず、明楽は固く身体を硬直させたまま、荒れ狂う下腹部の猛威が過ぎ去るのを待つしかない。どうか気付かれないようにと必死で祈りながら、生涯最悪の苦痛に抗おうとする明楽を嘲笑うように、腹音はさらに激しさを増した。
ぐるるっ、ぐぎゅうるるるるっ、ごぼぎゅるるるうっ……
「ぅ…は……く……ぅっ……!?」
今度はなりふり構っている場合ではなかった。獰猛に唸り続ける下腹部をさすり、脚の間に押し込んだ手でスカートを掴み、明楽は両手を使い、身体の奥からやってくる絶望に抵抗する。全身の力を込めて排泄孔を締め付け、汚辱の暴発を防ごうとする。しかし高まる便意は天井知らずに激しさを増していった。
(うぅくっ、あ、だめっ、出ちゃダメっ、がまんっ、がまんするのぉっ……っっ!!)
声にできない悲痛な叫びを噛み締め、明楽は恥も外聞かなぐりすてて抵抗する。しかし出口のすぐ前で荒れ狂う便意が、乙女の繊細な心を無慈悲に引き裂いてゆくばかりだ。
(あ、あっ、ぅ、ぁ、ぅ、……〜〜っ!!)
腹腔が直接ねじられるような容赦のない蠕動。蠢く内臓が自然の摂理に従い、明楽にこの場での排泄というもっとも恥ずかしい行為を促してくる。びく、びく、と突っ張る脚が宙に浮かび、爪先が床を擦る。
悲痛な叫びと共に、少女の身体はしばし我慢の山脈の頂きで硬直し、やがて緩やかに弛緩していった。
ごぼ……ごぽっ……ぐる、ごきゅう……っ
無限にも思える長い絶望の時は、不意に訪れた異音で終わりを告げた。
必死に閉ざされた孔の奥で、荒れ狂う猛威が鈍い音を立てて、ゆっくりと腹奥へと戻ってゆく。直腸の熱い塊が腹腔の奥へ引き返す不快感と共に、明楽は溜め込んでいた息を吐き出した。
「はぁ……はぁっ……」
全身全霊を賭した我慢劇は、ひとまず明楽の勝利で終わったのだ。極限の緊張からいっときの解放を許され、肩で大きく息をついて汗ばんだ手のひらを握り締める明楽。
しかし、激しいうねりこそ治まったものの、不気味に唸り続ける少女の腹奥には、まだ張り詰めた違和感が残っている。蠢く蠕動は腸璧を活性化させ、さらなる粘液の分泌とガスの発生を促成させる。一度稼動した消化器官がほどなく前にも増して熾烈な第二派をもたらすことは火を見るよりも明らかであった。
だが、極限の戦いを強いられて疲弊した明楽は、わずかに与えられた安堵と休息の時を貪るように、机の上にがくりと体を倒したのだった。
(もうやだ……なんで、こんな……)
涙を滲ませながら、己の不運を呪う明楽。体育館を出たときにちゃんとトイレができていれば、こんなことにはならなった。いや、せめてガスだけでも十分に放出していれば、少しは楽になっていたかもしれない。そもそも、家を出る前にちゃんとトイレを済ませていさえすれば済んだこどなのだ。
きちんとトイレにも行けない――トイレのしつけすらできていない自分。新しい学校に通うのに、そんな小さな子供でも当然のことができない自分を、明楽は恥じていた。
だが――彼女を苛む運命は、さらに容赦なく少女を追いこんでゆく。
不安定にぐるぐるとうねる下腹部を庇いながら、明楽は泣き言を繰り返すしかできなかった。
(お願いっ……おさまってよぉ……)
そんな少女の願いもすでに虚しい。すでに排泄衝動はどうしようもないところまで来ており、明楽はそれに乙女の頑張りだけで抗っている状況だった。
いったんは治まりかけた腹音は、ほとんど間を置かずすぐに活性化を再開する。クラスメイトに囲まれた中で失敗はできないと、緊張を強いる環境に耐えかねて均衡を崩した下腹部は猛烈な蠕動に支配され、一触即発の状況を続けていた。
腹腔を上へ下へと蠢くうねりが何度となく危うい境界線を脅かし、最悪の事態を引き起こそうとしていた。
下腹に当てられた手のひらにはっきりと伝わる下腹部のうねり。腹腔を掻き回す濃密なガスと、それに連動してこね回される固形物の蠕動が、明楽の身体から容赦なく体力を奪ってゆく。
少女の体内奥深くでゆっくりと蠢く消化器官の蠕動。猛烈な便意を誘導する身体作用は、一週間もの間果たされていなかった排泄という作用を明楽の体内に要求する。
ぐきゅるるっ、ぎゅるごろろごろごろっ、ごぼっ!!
「……ゃ、ぁあっ……!?」
大きなガスの気泡が直腸へと流れこみ、ごぼりと激しく破裂した。
立て続けに牙を剥いて襲い掛かってくる排泄衝動。暴れ回る腹腔の唸りは見る間にすさまじい勢いで膨れ上がり、少女の小さな双丘の谷間、恥かしいすぼまりに殺到する。
(だ、だめっ、したくなっちゃダメっ、ダメ。ダメなのっ、出ない、出ないでぇ…っう、……ぅああっ…やだっ、ぁあっ、おなか……トイレ、トイレぇっ!!)
渇望するトイレに立つことも、椅子を引くことすら許されない激烈な排泄欲の前では不可能に近い。反射的にもう一方の手で机を握り締め、椅子の上にわずかに浮かせた腰に力をかけ、全身ありったけの力で排泄孔を引き締める。
ぼこん、ぼこんと下腹部が脈動する。消化器官の蠕動にあわせ、一週間、七日もの間にぎっしりと詰め込まれた内容物が腸内の粘液に包まれてねっとりと前後運動を始めているのだ。またも濃密なガスが直腸に押し寄せてくる感触に、明楽はぐったりと俯いた。
(やだ、おなら、おならしたいっ……こんなのヤダっ、やだぁ……っ)
(続く)
担任の教諭がまだ到着していないため、どこか緊張を孕みながらも、穏やかに弛緩した雰囲気が教室には満ちていた。明楽が教室に戻った頃にはまだ皆真面目に席についていたのだが、15分もすると雑談が始まり、いまはすっかり騒がしくなっている。すっかり打ち解けた女子グループの数名は、早速これから放課後にカラオケに行こうと盛り上がっている様子だった。
「………っ、ふ……」
ぐきゅ……ごりゅるるるっ……
しかし、明楽の身体はそんなリラックスした雰囲気の対極に置かれていた。
少女はひとり、クラスの喧騒をよそに押し寄せる激しい便意と戦っていたのだ。
(は…やくっ、でちゃうぅっ、はやく、うぅっ……)
ひっきりなしに唸り続ける下腹。濃縮されたガスと固形の内容物、そして分泌された粘液が撹拌され、出口を塞がれた明楽の腸内で暴れ続けている。
せっかく辿り着いたトイレでも解放を許されなかった、内なる猛烈な衝動。
もはやこれは百人中百人が認める、激しい便意だった。
一週間をかけて貯蔵された腹腔の中身を、容赦なく引っ掻き回すとめどない蠕動。明楽は椅子の上に腰を浮かしては息を荒げ、座板におしりを押しつけてぷくりと膨らむ排泄孔を渾身の力で引き締める。
少女の意志を無視して高まる腹圧で押しだされんとする内容物は、明楽の直腸、排泄孔のすぐ真上まで迫っている。うんちができないならばせめてガスだけでも放出して楽になりっておきたいところだが、クラスメイト達が席を寄せあったこの状況ではそれすらも許されない。
(ぅ……はぁっ…くぅぅっ……)
ぐぎゅ……きゅるるっ、…ぐりゅぅう……
体内で蠢く不気味な駿動。ふっくらと膨らんだ少女の下腹部は、骨盤に伝播する危険な震動を伴って激しさを増しながら、じわじわと下降を続けている。朝の自宅、通学途中のコンビニ。入学式後、ほんの10分前の体育館横。いずれのトイレでもできなかった排泄作用が、いま、この教室の片隅で再現されようとしていた。
「く……ぅぁっ……」
きりきりと高まる腹圧に耐えかねて明楽が腰をくねらせた途端、ごぼっ、と腐敗発酵したガスが体奥から湧き上がった。
突如直腸で膨らんだ猛烈な屁意に明楽は小さく悲鳴を上げる。
(っ!!! だ、だめっ、出ちゃダメぇ……っ!! が、がまん、がまんするのっ!! しなきゃダメえ……!! っ、お、おなら……みんなにっ……ひっかかっちゃうっっ……)
すぐ後ろには、明楽と同じように席に座り、ホームルームを受けているクラスメイトがいる。その鼻先のすぐ前で濃密なガスを吐き出すなど、決して許されることではなかった。明楽はあらゆる感覚を総動員して苦痛に耐える。
腹腔の内部で暴れまわる内容物は、液体・固体・気体が渾然一体となった混沌の排泄欲となって、少女の可憐な排泄孔に殺到する。一週間の熟成を経て暴れだした猛威が少女の小さな下腹部には到底納まりきるわけもなく、明楽の恥ずかしいすぼまりはぷくりと盛り上がり、少女の意思に反して内側に溜まった汚辱を放出しようとする。
ぷ、……ぷ、っす……ぶすっ……
(出ないでぇっ、で、ない、でぇえっ!!!)
机の角を握り締め、ぐいぐいと腰を揺すり、おしりを椅子に押しつける。それでも完全には抑えきれない悪臭が、断続的に明楽の腹の中から漏れ出てゆく。
わずかに盛り上がった排泄孔からくちくちと吐き出される汚臭を振り払うこともできず、明楽は固く身体を硬直させたまま、荒れ狂う下腹部の猛威が過ぎ去るのを待つしかない。どうか気付かれないようにと必死で祈りながら、生涯最悪の苦痛に抗おうとする明楽を嘲笑うように、腹音はさらに激しさを増した。
ぐるるっ、ぐぎゅうるるるるっ、ごぼぎゅるるるうっ……
「ぅ…は……く……ぅっ……!?」
今度はなりふり構っている場合ではなかった。獰猛に唸り続ける下腹部をさすり、脚の間に押し込んだ手でスカートを掴み、明楽は両手を使い、身体の奥からやってくる絶望に抵抗する。全身の力を込めて排泄孔を締め付け、汚辱の暴発を防ごうとする。しかし高まる便意は天井知らずに激しさを増していった。
(うぅくっ、あ、だめっ、出ちゃダメっ、がまんっ、がまんするのぉっ……っっ!!)
声にできない悲痛な叫びを噛み締め、明楽は恥も外聞かなぐりすてて抵抗する。しかし出口のすぐ前で荒れ狂う便意が、乙女の繊細な心を無慈悲に引き裂いてゆくばかりだ。
(あ、あっ、ぅ、ぁ、ぅ、……〜〜っ!!)
腹腔が直接ねじられるような容赦のない蠕動。蠢く内臓が自然の摂理に従い、明楽にこの場での排泄というもっとも恥ずかしい行為を促してくる。びく、びく、と突っ張る脚が宙に浮かび、爪先が床を擦る。
悲痛な叫びと共に、少女の身体はしばし我慢の山脈の頂きで硬直し、やがて緩やかに弛緩していった。
ごぼ……ごぽっ……ぐる、ごきゅう……っ
無限にも思える長い絶望の時は、不意に訪れた異音で終わりを告げた。
必死に閉ざされた孔の奥で、荒れ狂う猛威が鈍い音を立てて、ゆっくりと腹奥へと戻ってゆく。直腸の熱い塊が腹腔の奥へ引き返す不快感と共に、明楽は溜め込んでいた息を吐き出した。
「はぁ……はぁっ……」
全身全霊を賭した我慢劇は、ひとまず明楽の勝利で終わったのだ。極限の緊張からいっときの解放を許され、肩で大きく息をついて汗ばんだ手のひらを握り締める明楽。
しかし、激しいうねりこそ治まったものの、不気味に唸り続ける少女の腹奥には、まだ張り詰めた違和感が残っている。蠢く蠕動は腸璧を活性化させ、さらなる粘液の分泌とガスの発生を促成させる。一度稼動した消化器官がほどなく前にも増して熾烈な第二派をもたらすことは火を見るよりも明らかであった。
だが、極限の戦いを強いられて疲弊した明楽は、わずかに与えられた安堵と休息の時を貪るように、机の上にがくりと体を倒したのだった。
(もうやだ……なんで、こんな……)
涙を滲ませながら、己の不運を呪う明楽。体育館を出たときにちゃんとトイレができていれば、こんなことにはならなった。いや、せめてガスだけでも十分に放出していれば、少しは楽になっていたかもしれない。そもそも、家を出る前にちゃんとトイレを済ませていさえすれば済んだこどなのだ。
きちんとトイレにも行けない――トイレのしつけすらできていない自分。新しい学校に通うのに、そんな小さな子供でも当然のことができない自分を、明楽は恥じていた。
だが――彼女を苛む運命は、さらに容赦なく少女を追いこんでゆく。
不安定にぐるぐるとうねる下腹部を庇いながら、明楽は泣き言を繰り返すしかできなかった。
(お願いっ……おさまってよぉ……)
そんな少女の願いもすでに虚しい。すでに排泄衝動はどうしようもないところまで来ており、明楽はそれに乙女の頑張りだけで抗っている状況だった。
いったんは治まりかけた腹音は、ほとんど間を置かずすぐに活性化を再開する。クラスメイトに囲まれた中で失敗はできないと、緊張を強いる環境に耐えかねて均衡を崩した下腹部は猛烈な蠕動に支配され、一触即発の状況を続けていた。
腹腔を上へ下へと蠢くうねりが何度となく危うい境界線を脅かし、最悪の事態を引き起こそうとしていた。
下腹に当てられた手のひらにはっきりと伝わる下腹部のうねり。腹腔を掻き回す濃密なガスと、それに連動してこね回される固形物の蠕動が、明楽の身体から容赦なく体力を奪ってゆく。
少女の体内奥深くでゆっくりと蠢く消化器官の蠕動。猛烈な便意を誘導する身体作用は、一週間もの間果たされていなかった排泄という作用を明楽の体内に要求する。
ぐきゅるるっ、ぎゅるごろろごろごろっ、ごぼっ!!
「……ゃ、ぁあっ……!?」
大きなガスの気泡が直腸へと流れこみ、ごぼりと激しく破裂した。
立て続けに牙を剥いて襲い掛かってくる排泄衝動。暴れ回る腹腔の唸りは見る間にすさまじい勢いで膨れ上がり、少女の小さな双丘の谷間、恥かしいすぼまりに殺到する。
(だ、だめっ、したくなっちゃダメっ、ダメ。ダメなのっ、出ない、出ないでぇ…っう、……ぅああっ…やだっ、ぁあっ、おなか……トイレ、トイレぇっ!!)
渇望するトイレに立つことも、椅子を引くことすら許されない激烈な排泄欲の前では不可能に近い。反射的にもう一方の手で机を握り締め、椅子の上にわずかに浮かせた腰に力をかけ、全身ありったけの力で排泄孔を引き締める。
ぼこん、ぼこんと下腹部が脈動する。消化器官の蠕動にあわせ、一週間、七日もの間にぎっしりと詰め込まれた内容物が腸内の粘液に包まれてねっとりと前後運動を始めているのだ。またも濃密なガスが直腸に押し寄せてくる感触に、明楽はぐったりと俯いた。
(やだ、おなら、おならしたいっ……こんなのヤダっ、やだぁ……っ)
(続く)